~ムーンライダーズの夕方から夜~
承前
ガセやマッチポンプだらけのヤフーの芸能ニュースだが、バカにしてはいけない。
11月11日。今日もくだらない職場でくだらない仕事を始めようと立ち上げたPCの立ち上げたIEのホームのページ。俺の目に飛び込んで来たのは「ムーンライダーズ活動休止」の文字であった。
当日。18時開場の18時半開演ということで、「そんな30分とかで大丈夫?」などと思いながら17時半過ぎに現着…した俺は人の多さに戦慄する!
イヤだって「20周年の大阪の心斎橋クラブクアトロ(※1)」しか見たことないんだもの!
17時からのグッズ先行販売(知らんかった)もあってか要はホールへの階段に、玄関ロビーに、外の広場に、人、人、人。
そして「赤か黒の服」「メガネでハンチング」率の高さよ。俺も含め。
東京一は日本一。いやあさすがサンプラザって大きいのね、と思いながら時計は18時を指すも、人の列はとくに微動だにしないのであった。
係りの人が拡声器で叫ぶがよく聞き取れない。
どうやら?「ちょっとまだ客を入れられない状態です」?
なんだなんだ。何年やってんだこのバンドは!…35年か。あきらめよう。
目の前の家族連れ(!)の息子がツアーTシャツを着ている。いいなー。くれよそれ。(※2)
何より家族でムーンライダーズを見に来るなんて、うらやましいですね。
けっきょく「30分オシ」で進む式次第。寒いなかモゾモゾと、老けた蛇のような入場の列は外まで続いている。
「招待客」の通り道もあって、そっちは通行し放題だ。いやー誰が来てんだろう。細野さん?
花輪は「矢野顕子」「アグネス・チャン」「野宮真貴」ほか。
オロオロ土壇場でe-plusにカチ込んだ俺の席は当然2階席なのであるが、
「1階にくらべると2階はどんだけ損してるか」は
行った人はご存知であろう!
行ってない人もこのあと説明します。
※1
心斎橋クラブクアトロ…
「人気ないこともない」ぐらいの人が大阪で演るハコ(当時)。広さが8畳ぐらいしかないため、演者を非常に間近で体感できる。シンディローパーが来たりする。
※2
俺も「20周年のTシャツ」を中に着て行ったがまったくアピールにならん。次は薔薇のコサージュでも付けよう。
前説
30分オシ…と言いつつ、始まったのは19時ちょっと前だったと思う。
始まった、というか1ベルが鳴ったんだけど。
「――お越しいただき有難うございます――開演に先がけてお客様にいくつかお願いが――」
「――耳の穴をよーく押し拡げてお聞きください――」
おお見よ、もうショウは始まっているのだ!
「――大声、罵詈ザツゲン等は大歓迎――」(「罵詈ゾーゴン」であろう。お姉ちゃん減点。編注)
「――ご高齢の方はポックリ逝ってしまわないよう――」
「――盗聴、盗撮を発見した際は没収、内容は当方で使用させていただく場合がございます――」
「――その際の報酬は、SweetでBitterなCandy3個分となっており、」
おぉ俺も好きですよ!そんなわけでこの曲は本編では演りません。残念。
「これは大阪の時よりも大盤振る舞いとなっております――」
云々。
イントロダクション
おじいちゃん達の悪ふざけですっかりケムにまかれた見物衆が、突然ざわめく。
これは「客席から演者が現れた」感じのざわめきだ!
おぉどこや!まさかの2階か!
残念、違います。1階後方です。
現れたのは(確か)かしぶちさん。だらだらとギターをかき鳴らし…上手の、舞台に上がる階段に腰をおろす。
おお、と見ていると次は1階下手後方から現れたのは武川さん(顔でかい)。
1階下手前方のお客さんに歌詞カード(?)を渡して、武川指揮のもと皆で歌い始めた。
アタマ2小節ぐらい「きよしこの夜」…かと思ったけど違うか。何の曲?どの曲?
次は1階中央上手のドアから…白井、岡田、博文とお客さん(?)が電車状態で入ってきた…ように思う。
とにかくこんなにだらだら始まろうとするコンサートは俺は初めてだ。
だらだらと興奮していると、拡声器を持って現れたのは、誰だ。
あと一人しかいません。
鈴木慶一その人である。
「DAMN!MoonRiders!」
「DAMN!MoonRiders!」
「DAMN!MoonRiders!」
『『DAMN!MoonRiders!』』
「DAMN!MoonRiders!」
『『DAMN!MoonRiders!』』
ネットのニュースじゃ「全25曲」てえことだったけど、
拾える小ネタが、きっと多い。
現れた鈴木慶一に率いられ、おりてる緞帳(?)の向こうへとメンバーは消えていく。
慶一、岡田、武川を残して。