悲愴なバイオリンと哀切なアコーディオンに導かれて慶一さんが唄う。
■01.鬼火
いま聴くとそんなにモダンではない『MODERN MUSIC』からこの曲!
「みんな大好き」であろう。
メンバーの東ヨーロッパの失業者ふうの佇まいもあって、とにかくこの人たちはヨーロピアンな趣だよなと思う。
頑固な辻芸人のように手練れたパフォーマンスは、着実に会場を毒していった。
アウトロに入ると、岡田、武川は音もその体も緞帳の向こうへフェードアウトしてゆく。
残される慶一氏…
そして現れたのはこれでもかという爆音。
ズボーン!ズッボーン!鳴ってるけどおじいちゃん大丈夫か!ポックリ逝くのはそっちじゃないのか!
新譜から、
「Who's gonna be reborn first?」
である。
慶一氏は懐から手帳を取り出し、唄うというか、歌詞を朗読し始める。
「――勇気など あげられないが/春に聴こえた 笛の残響――」
「――月の裏側を彷徨う旅人に/今年の遠吠え届けと――!」
バ、と手帳を客席に投げる。
緞帳が上がる。
そしてコーラスが叫んだのは。
■02.Who's gonna die first?
誰が言ったか(実は知ってる。日本橋ヨヲコ)
「「死にたい」って言うのは「生きたい」って言うのと同じだ」。
親父達も明日を夢見て「NO FUTURE」と叫んだ。
そう、俺たちは誰も死んだりなんかしないのだ。
新譜のお披露目…と見せかけて
「往年の活動再開曲」をブチ込む心意気。
こちらの心も。踊らいでか。
息つく間もなく次の曲に続く。
アレンジが激しすぎて、さいしょ何の曲かわからんかったわ私!
■03.DON'T TRUST ANYONE OVER 30
「OVER 60!」に変えて唄うあたり、ご愛敬(「OVER 50!」も有ったかも)。
原曲のじっとりした倦怠感とは違う、アッパーチューン感。
■04.Frou Frou
『ANIMAL INDEX』から。
要所要所で結構かしぶちさんがフィーチャリングされます。
正直「こんな地味な曲を!?」と思ったんですが定番なんでしょうかどうでしょうか。
意外とリフレインがキャッチーなので、この流れの中でも全然違和感は無いのです。
とにかく「へえこんな曲が聴けるなんて!」といちいち感動する。
ちなみに上手のドラムがかしぶちさんで、
下手はTokyo7でおなじみ夏秋さん。
夏秋さんのパワーなドラミングに、ただでさえ地味なかしぶちさんがより霞んで見えるのもご愛敬!
■05.涙は悲しさだけで、出来てるんじゃない
ここにきてまたこんな曲が出てくる。
後ろの席の、やかましい学生たちのうちの女も喜ぶニクイ選曲である。
「前の活動休止前後」の曲は好きなので、俺も喜ぶのであった。
■06.
すみません知らない曲です!●かしぶちさんメイン
●「あの山の向こうに」
●「生きてみよう/死んでみよう」