まさしくファン感謝デーとも言える内容。
「ここからはかしぶち哲郎ダンス教室になりまーす、女性10人づつぐらい、上がってきてください!」
かくして上手と下手の階段から20人づつぐらいのうら若き乙女、いやマジで若い女いっぱい、壇上に上がるのであった。そりゃ上がるよね!
「ハイハイごめんなさい、もうそこまで!」(←入場制限)
■19.マスカットココナッツバナナメロン
おなじみ…
何でおなじみなんだろう。俺は大橋巨泉のやってた英語バラエティクイズ番組かなんかのジングルで知った。
おなじみこの曲を、ファンのお嬢さん方のコーラス(合いの手?)、でやるという何とも華やかなステージ!
間奏では、かしぶちさんが何人か、手を取って踊る。
鈴木慶一ってのはかわいい人だ、と思うことがちょいちょいある。
この曲はそのかわいさが余すところなく発揮される…とか言ってみる。
「ありがとう―それではまだ降りないで―こんどは男の人!10人づつぐらい」
上手と下手の階段から20人づつぐらい上がっていくのであった。
なんだなんだ今度はオッサンばっかりだな。
これも定番なのかなどうなのかな?
3~40人ぐらいによる「穴掘りダンス」に合わせて
パーカッションは高らかに鳴る。
■20.花咲く乙女よ穴を掘れ
数日後奇しくも某国の某総書記がお亡くなりになって爆笑したが、
糸井重里(ある意味ゲスト参加だろう!)によるロックな歌詞に乗せて
往年のグランドビートもかくやと思わせるリズムが吠えれば
ステージはもう共産ディスコ状態である。
オッサンもおねえちゃんも、わりかし激しい動きを動きっぱなしや!
いや良いないろいろと1階は…。
「はいSinging!うちに帰ればパ~パとママが♪」
どんなバンドや。
このバンドでしか見れない、花咲く舞台。
ああそうなのだ。
上手からも下手からもみんな会いに来て、
下手でも上手でも愛をぶちまけているのだ。
■21.Kのトランク
「いわゆる『コンセプト』が明確で」
「アカっぽくて」
「でもキめるところはキめる」
「なんか変なアルバム」
という点で好きなアルバム『マニア・マニエラ』から来る来る来るね。
このポンコツ疾走感よ。
同じ疾走するならフェラーリエンツォよりもガタガタのトラバント、
それが男のロマンてもんじゃないですか皆さん。
いっきに「スカーレット」「穴を掘れ」「トランク」と
なんだか贅沢なようで楽しかったです。
* * *
「ウェ~ヘ~ホ~」
「ウェ~エ~ウォ~~」
と書いても何が何だかわからないけれど、
お待ちかね、この位置にはふさう、この逸曲。
■22.Beatitude
「マツダに乗りに行こう!」でおなじみ
20周年記念(?)チューン。
こりゃ聴けば誰もがカッコいいと思うだろうと思うが
誰も聴かないのでしかたがない。
戦うなら祈るなら愛するならと
ああカルマにまみれたオーディエンス衆よ。
キラキラ光るリボンも射ち出されて(この曲のときだったと思う…いや「スカーレット」のときだったかな…)、
見よ(こればっかりやな)、宴はいま最高潮(オーガズム)を迎えている。
* * *
天使の吹き鳴らすラッパが、最後の審判の始まりを報せると言う。
ん、パパパ~、とラッパが鳴って、この罪深い宴もそろそろ終わりをつげようとしているのだ。
■23.蒸気でできたプレイグランド劇場で~The Vapor Theatre " Playground"~
天井からは赤い風船の雨が降る。
ああそれは万感の思いをこめた薔薇の花弁だ。
新譜のコンセプトが「こんにちは/さようなら」というだけの話。
復帰して開口一番「最初に死ぬのは誰だ!」と叫ぶような連中だ、
例えば歌詞をいちいち真に受ける必要は無い…とは言え
「この劇場取り壊されて/どこかに移転することはないです 」
一期一会。言うなれば人生の公演なんざどの幕も一度きりよ。
そしてそう、その舞台は、生き様とか命懸けとかいうんでなくて、なによりプレイグランドであればいい。
サヨナラするのはつらいけど。時間だよ。仕方がない。
慶一「また、進化したら、どこかで会いましょう!」
次の回まで、ごきげんよう。
ありがとう、本当に来て良かったです。