教 | 小栗虫太郎傑作選 T 黒死館殺人事件 | 現代教養文庫 | 社会思想社 |
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創 | 日本探偵小説全集6 小栗虫太郎集 | *** | 創元推理文庫 |
教 | 創 | ||||
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序篇 | 降矢木一族釈義 | 15 | 194 | ||
第一篇 | 死体と二つの扉を繞って | 31 | 209 | ||
一、 | 栄光の奇蹟 | 死体が見つかる。 | 32 | 209 | |
二、 | テレーズ吾を殺せり テレーズわれをころせり |
なんだなんだこのゴツいダッチワイフは! | 44 | 223 | |
三、 | 屍光故なくしては しこうゆえなくしては |
この殺人計画はあらかじめ予言されていた? | 63 | 242 | |
第二篇 | ファウストの呪文 | 77 | |||
一、 | Undinus sich winden(水精よ蜿くれ) ウンデイヌス ジツヒ ヴインデン(ウンデイヌスようねくれ) |
謎のメッセージ文が見つかる。 | 78 | 259 | |
二、 | 鐘鳴器の賛詠歌で…… カリリヨンのアンセムで…… |
体の悪い田郷老人にカバチをたれる法水。演奏する変態楽団。 | 99 | 281 | |
三、 | 易介は挟まれて殺さるべし | 変な倍音が鳴ったと思ったら、鎧兜に死体が入っていた。 | 114 | 297 | |
第三篇 | 黒死館精神病理学 | 131 | |||
一、 | 風精……異名は? ジルフス……エーリアスは? |
失神した伸子が見つかるが病院に運ばれる。 | 132 | 315 | |
二、 | 死霊集会の所在 シエオールのしょざい |
図書室、足跡、墓の調査でテンションが上がる法水。 | 149 | 332 | |
三、 | 莫迦、ミュンスターベルヒ! ばか、ミュンスターベルヒ! |
トッチャンボーヤと変態楽団がお目見えする。 | 175 | 359 | |
第四篇 | 詩と甲冑と幻影造型 | 199 | |||
一、 | 古代時計室へ | 医者を相手に盛り上がった法水は、また田郷をいじめる。 | 200 | 383 | |
二、 | Salamander soll gluhen(火精よ燃え猛れ) (ザラマンダーよもえたけれ) |
時計室にあったものとは?その扉にうつるお化けの真相とは?そしてまた届けられるメッセージ。 | 221 | 403 | |
第五篇 | 第三の惨劇 | 239 | |||
一、 | (教)犯人の名は、リュッツェン役の戦歿者中に (創)犯人の名は、リュツェルン役の戦歿者中に |
法水が自分の事務所で、ユダヤ人差別を交えながら真犯人を看破。円華窓に秘められた暗号も解読するが… | 240 | 422 | |
二、 | 宙に浮かんで……殺さるべし | クリヴォフ夫人を襲った悲劇…。驚駭噴泉(ウォーター・サープライズ)のところにレヴェズが居た? | 280 | 461 | |
第六篇 | 算哲埋葬の夜 | 293 | |||
一、 | あの渡り鳥……二つに割れた虹 あのワンダー・フオーゲル……ふたつにわれたにじ |
紙谷伸子に事情聴取。ところでどうやら博士が生きている!? | 294 | 474 | |
二、 | 大階段の裏に…… ビハインド・ステイアスに…… |
『死の舞踏』、そして暗号。見切り発車で遺言書を開封する法水。 | 324 | 503 | |
第七篇 | 法水は遂に逸せり!? | 341 | |||
一、 | シャビエル上人の手が…… シャビエルしょうにんのてが…… |
レヴェズと津多子をいじめる法水。 | 342 | 521 | |
二、 | 光と色と音──それが闇に没し去ったとき | ものすごい面倒な「創世記の暗号」を解く法水。公開演奏会。 | 368 | 545 | |
第八篇 | 降矢木家の壊崩 | 395 | |||
一、 | ファウスト博士の拇指痕 ファウストはかせのぼしこん |
オイオイまだまだ死者が出るよ! | 396 | 575 | |
二、 | 伸子よ、運命の星の汝の胸に | 地下道の先には何が−?あと「創紋」「歴代の狂死」「神意審問会」等々をまとめて謎とき。 | 428 | 605 | |
三、 | 父よ、吾も人の子なり | 最後に明かされる真犯人−てゆうかそいつ意外みんな死んだよ! | 446 | 624 |
教 | 創 | ||
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ボスフォラス | 16 | 194 | ボスフォラス(ボスポラス)海峡。 トルコの北西部で黒海の南西。ギリシャのちょっと東。エジプトの北。 要は「ここまでがヨーロッパですよ」という意味合い、位置付けになるのかと。 |
福来博士 | 203 | 385 | これはホラー映画とかの「貞子」誕生のきっかけとなる「千里眼事件」、あれの福来友吉博士でございましょう。 んで[教]の解題にて「時期的に早すぎる」と指摘されている部分。 〜と云うのは、そのヒステリー性反覆睡眠という病的精神現象が、実に稀病中の稀病であって、日本でも明治二十九年八月福来《ふくらい》博士の発表が最初の文献である。 「催眠術の心理学的研究」の論文で文学博士号を取得したのが明治39年ということみたいなので、そのあたりを虫太郎が10年見間違えた。というのは有り得ます。 |
竜見川学園の保姆 | 337 | 516 | 一般的に、日本初の、知的障害児のための福祉施設として知られているのが「滝乃川学園」。 「お前はそこの職員でもやっとれ」という、「偏見と狂乱の怪物」ダンネベルグ夫人の差別的発言と考えられる。 |
イビクス(イビュコス) | 425 | 602 | ギリシャ神話に登場する、アポロンに愛されし敬虔なる詩人。 コリントスで行われる音楽コンテストに向かう途中で、盗賊に襲われ命を落とす。何やってんだアポロン。いまわの際、イビュコスは頭上を飛んでいた鶴に「自分の無念を人々に伝えて欲しい」と言い残し力尽きたのであった。 そしてその後ぬけぬけとコンテストを見に来ていた盗賊は、空を飛び交う鶴を見て「あ、イビュコスの鶴だ!」と口走ってしまう。「なぜそんな事を知っているのか」と周囲に詰め寄られた盗賊は、捕まって処刑されたのであった。 参考文献:T・ブルフィンチ 佐渡谷重信 訳『ギリシア神話と英雄伝説(下)』講談社学術文庫 |